圧倒的成長

日々の備忘録

湘南乃風の歌詞解析をする Part1 -1st~3rd-

先日、ようやく湘南乃風の5thアルバム「2023」とミニアルバム「踊れ」を見つけた。わざわざちょっと遠くのTSUTAYAまで行った甲斐があった。これで湘南乃風のアルバムがすべてそろったことになる(買えという声が聞こえてきそうだが、次は買います、きっと)。ミックスアルバムにしか収録されていない曲などもあるから、すべての音源を入手したわけではないんだけど、どうしようか・・・なんかここまで来たら全曲欲しいな。シングル限定とかもあるから道のりは遠いな…

さて、今回はPart0で書いた手順に従い、1stアルバムから3rdアルバムまでの歌詞をもとにワードクラウドを作成して、その結果を見てみる。

湘南乃風〜REAL RIDERS〜

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  1. Intro
  2. Wild Speed
  3. Real or Fake
  4. Real Riders
  5. N.O.S〜New Old Stock〜 feat. NG HEAD
  6. Another World feat. RYO the SKYWALKER
  7. How we get down feat. BOOGIE MAN & VADER
  8. 次へ
  9. 行かねば feat. TRUTHFUL from FIRE BALL
  10. Ride On Beat
  11. 誇り高き戦士〜Pride in the ring〜
  12. We Got A Power feat. PRIMAL from MSC & ARK from BACKGAMMON
  13. CRY feat. MINMI
  14. Under The Moonlight〜at the Bord walk〜
  15. CLASSIC
  16. KRAZY MIX mixed by BK

風伝説の幕開けを告げる記念すべき1stアルバム。2003年リリース。このアルバムの発表前にも2001年から2003年にかけてインディーズで4本のミックステープをリリースしているらしい。この4本、やっぱり高額で取引されているんだろうか。 内容としては、予想以上に個性の感じられるアルバムだった。湘南乃風をちゃんと聴く前は、「純恋歌」みたいなJポップ風の曲がいっぱいあるんだろうなと思ってたけど、1stアルバムはJポップ感はほとんどなく、クラブミュージック感が強かった。彼らのルーツであるレゲエに忠実なつくりなのか。あと、「ワル」っぽい感じ?治安が悪い感じというか…なんというかギャングスタ感(?)がある。正直最初に聞いたときBrujeriaを思い浮かべた。絶対似てる。ちなみにこのアルバムをBGMにピッキングハーモニクスするとめちゃくちゃ合うのでやってみてほしい。

まぁこのアルバムは万人受けはしないだろうな…。でもこういうルーツに忠実(?)だったり強い個性を主張しているアルバムは好きだ。それでも、Real RidersとかCLASSICは後の湘南乃風を感じさせるレゲエ風味のあるJポップに仕上がっていると思う。オラつきまくるRED RICEと若旦那、そして割と歌いあげるタイプのHAN-KUNに早口でリリックを繰り出すSHOCK-EYE。この頃からメンバーの役割分担ははっきりしているし、当時から独自のスタイルを確立しつつある感じはすごい。

さて肝心のワードクラウド

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がめちゃくちゃ存在感を放っているが、たぶんこれは8曲目の次への影響。RED RICEが繰り返す次々と次へ次へ 次から次へまた次へのリリックの影響だと思う。 realも目立つが、これはタイトルトラックであるReal RidersHAN-KUNとSHOCK-EYEのデュオ曲Real or Fakeによるものかな。powerRED RICEと若旦那のデュオ曲We Got A Powerpowerが連呼されるからだろう。ちなみにこのアルバム、メンバー同士のデュオ曲が収録されている唯一のアルバムらしい。加えて、... feat. xxxみたいな感じで外部ミュージシャン(湘南乃風の地元のダチか?)とコラボしているのが多いのも特徴だと思う。でそういう曲の治安の悪さが際立ってヤバい。でもこういうコラボ、次に紹介する2ndアルバムを最後にめっきり減るんだけど、何かあったんですかね。他にも、warningだったりドカンだったり、不穏なワードが目立つ。意外なことに1stアルバムではがほとんど目立たない。この頃はあまり主張が強くなかったのかな。

湘南乃風〜ラガパレード〜

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  1. Intro
  2. Rockin'Wild
  3. 晴伝説
  4. 応援歌 feat. MOOMIN
  5. 旅の途中...
  6. B.Blues〜Do It!〜
  7. MY WAY feat. MINMI
  8. NO DOUBT!!
  9. これが一番大事! feat. KENTY-GROSS
  10. Skit
  11. L.A.P〜One Love〜
  12. 極東のCHAMPION feat. MSC
  13. 札束
  14. 挑戦状 feat. TERASEE from INFINITY16
  15. GOOD LIFE...
  16. ONE〜命の灯火〜
  17. Outro

2004年リリースの2ndアルバム。ジャケが潔い。基本彼らのアルバムはロゴ+背景色というシンプル極まりないデザインで、正直見ただけでは何枚目なのか分かりにくいので困る。音楽的には前作を踏襲した内容だと思う。とはいえ初のシングルとなった応援歌などを筆頭に万人受けしそうな曲もちらほらある。明確なメロディラインが現れる応援歌純恋歌系のプロトタイプかもしれない。晴伝説ではギターソロもある! 前作は「湘南を荒らした札付きのワル」といった感じだったが、今作では「ちょっとコワいけど気のいい兄ちゃんたち」といった感じ。一方で下品極まりないこれが一番大事!湘南乃風で最低な曲は何かと尋ねられたら迷わずこれを選ぶ)や殺っちゃえ 殺っちゃえという物騒なリリックが異彩を放つ極東のCHAMPIONもある。後半はHAN-KUNやSHOCK-EYEがしっとりと歌いあげる曲が登場し、3rd以降の路線が早くもうかがえる。そのため前半から後半にかけてちょっと雰囲気が変わっていく印象を受ける。尖った曲はより尖り、ソフトな曲はよりソフトになった感じ。このアルバムまでしか湘南乃風とは認めないコアなファンもいそうだ。

そんな2ndのワードクラウドは以下。

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チャンピオンお前見るyeahなどが目立つ。あと地味に殺るが現れてしまっているのが笑える(お前の下の泣くの右!)。チャンピオンは前述の極東のCHAMPIONによるものかな。湘南があるのも良い。ドカドカも不穏でいいな~。このアルバムからお前が頻出するようになる。まぁなんか湘南乃風っぽさが強くなってきている感じはある。

ちなみにこのアルバムの中で、(多分)HAN-KUN「なんで俺らの愛する現場の音楽が、会議室のオッサンたちの金勘定の対象なんかになんなきゃなんねぇんだっつうの!一枚でいくらじゃねぇんだ!一枚で何人に届くかが問題だっつうの!」と言っているんだけど、めちゃくちゃ良いこと言っててビビった。

湘南乃風〜Riders High〜

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  1. Intro
  2. Riders High
  3. OH YEAH
  4. いつも誰かのせいにしてばっかりだった俺
  5. 純恋歌
  6. サンクチュアリ
  7. JUMP AROUND
  8. 晴れ波とSong
  9. Happy Today feat. MINMI
  10. 犬の唄
  11. ワンルーム
  12. カラス
  13. 覇王樹
  14. See you again

さて問題作。大親友の彼女の連れ おいしいパスタ作ったお前で有名、純恋歌が収録されている3rdアルバム。2006年リリース(俺が中2の頃だよ…)。湘南乃風といったら純恋歌を思い浮かべる人も多いのではないか。かくいう自分もそうだった。しかし改めて1stから聞いてみるとこの曲、邪道以外の何物でもない。マジで違和感しかない。しっとりと聴かせる曲はこれまでにもあったが、これはさすがにやりすぎだ。だいたい湘南乃風にストリングスなんているのか?これが大ヒットしてしまったがゆえに湘南乃風は作風を変えざるを得なくなったのではないかとすら思えてくる。しかしネットなどで湘南乃風の人気曲ランキングを見るとほとんど1位となっている。投票した奴ら、純恋歌以外の曲を聞いたことあるのか???つくづく業の深い曲だ。

作風としては全体的に一般的なJポップに近づいてきた感がある。これがジャパレゲってやつなのか。1stから聴いているとなんかちょっと残念だ。まぁでもキャッチーで治安の悪さも目立たなくなってきたので、初心者にはおすすめかも。JUMP AROUND覇王樹(サボテン)とかも良いしね。ちなみに俺は覇王樹って最初読めなかった。IMEでも変換候補に出ないし。覇王樹の字を見て一瞬で「サボテン」って読める奴、十中八九湘南乃風ファンと考えていいだろうな。ある種の踏み絵として使えそう。ちなみにこの曲の中で頑張ったけど バカだから答え出ないというフレーズが出てくるんだけど、仕事で使ってみたい湘南乃風のフレーズNo.1だ。 他にも注目すべき曲がある。SHOCK-EYEのソロ曲であるワンルームだ。

仕事で遅くなるね「ごめんね」胸痛む近頃の口癖
いつも寂しい思いで独り待っているのは知ってるよ

これは同棲している男女を歌った曲だが、以降のアルバムの彼のソロ曲(4th親愛なる...→5thいつか→6thヒーローベルト→7th大きくなったら→8thアイロン~頑張る君へ~)の内容との連続性が感じられる。これはもはやSHOCK-EYEサーガと言っても良い。それぞれの詳細についてはそれぞれのアルバムの紹介と合わせて述べていきたい。

そんな内容の濃い3rdアルバムだが、ワードクラウドは以下のようになった。

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お前がかつてないほどの存在感を放つ。世界にはお前しかいないかのようだ。まぁ、湘南乃風のファン層が認識している世界ってそんな感じなのかも。 あなたとか男女もある。泣くだったり、もある。これまではオラつき一辺倒で心の弱さとかを見せなかった(見せられなかったというのが正しいかもしれない)彼らが赤裸々な恋愛感情を吐露するようになったり、湘南のリアルな人間模様を歌うようになったのが3rdといえるかもしれない。必死に強がっていた彼らもまた等身大の人間にすぎないということを示した3rdアルバム。これがオリコンでキャリア初の1位を取ったのも納得。

湘南の人間模様といえば、純恋歌の一節、

折り合いがつかない時は 自分勝手に怒鳴りまくって
パチンコ屋逃げ込み 時間つぶして気持ち落ち着かせて
景品の化粧品持って 謝りに行こう

これが…湘南の日常なのか…

Part2に続く。